没シーンリサイクル

ご無沙汰でした、と手癖で書き始めたものの、あんまりご無沙汰な感覚はないなーと思って更新日見たら2ヶ月たってたのでやっぱりご無沙汰でした。時間がたつのが早いのは年齢的なアレと言うかアワワ
ミロ氷編、行きつ戻りつ書いたり消したりしているので、残りはまとめてのUPにしようと思っているので次回更新もやはりご無沙汰でしたから始まってしまいそうです。

UPする文章の倍、もしかしたらもう少したくさん書いて、そこから推敲の過程で消したり足したり順序を変えたりしているわけですが、書いたものの入れる場所がなくなってしまうエピソードも多々あるわけで。
今日はそういう日の目を見ない文章をリサイクル。

ミロと氷河が会話してるだけのエピソードです。

唐突に始まり唐突に終わる。

***

 

「君は女神をどう思う?」
「……えっ?沙織お嬢さん……?」
ミロが水を向けた話題に、氷河は、突然の方向転換に困惑したように首を傾げた。
「どうって……別に……あんまり俺は好きではなかった」
過去形であることがかろうじて救いではあるが、あまりに飾らなさすぎる感想にミロは苦笑する。
「では、なぜ、その、好きではなかった女神のために戦った」
「なぜって……死にそうになっているお嬢さんを放っておくわけにいかないだろう、人として。それに、まがりなりにも彼女は女神だ」
まがりなりにも、ときた。さすがに苦笑では済ませられずに、少年の不遜を咎める視線をやれば、彼は気まずそうに視線を狼狽えさせた。
「俺はずっと考えていた。なぜ君たち青銅聖闘士が十二宮の戦いでも海底での戦いでも、神をも凌駕するほどの奇跡を見せることができたのか、とな。案外、君のそういうところが答えだったのかもしれん」
「……………沙織お嬢さんを苦手なところが?」
好きじゃない、から少しオブラートに包んでみたのは、氷河なりに気をつかったつもりか。それでもまだいただけないが。
「女神を人間の名で呼ぶところだよ、氷河。君たちはみんな女神を『沙織さん』と呼ぶだろう」
「…………最近では『女神』と呼んでいる」
「だが意識しないと、うっかり人間の名に戻る」
「それは星矢だ。俺は気をつけている」
「まあ聞け。別にそれが悪いことだとは言っていない。俺たち黄金と君たちとではそこが決定的に違う。俺たちには女神は女神だ。『沙織さん』でもなければ、『お嬢さん』でもない。聖闘士としての使命感はあるが、女神を護ることに、君のように『人として放っておけない』という感覚はあまりない」
「でも、女神のために戦っているのは同じだ。呼び名ぐらい、『決定的に違う』ほどの問題ではないと思うが」
うーん、そうだな、たとえば、とミロは少し考え込んだ。
少年にわかるようにかみ砕いて説明するのは存外に難しい。カミュはさらに幼い子どもを相手に小宇宙のなんたるかを説明してみせていたのか、と、今更ながらに亡き同朋の苦労の一端に触れて、頭が下がる思いがする。
「ここに剣があるとする。小宇宙によって力が与えられているわけではない、ただの鉄でできた、だが切れ味は鋭い剣だ。それを握った人間の男が、女神に切りかかったら君はどうする?ちなみに君は聖衣を纏っておらず小宇宙も燃やせないものとする」
「?別に……男を止める。小宇宙を燃やせなくても並大抵の人間には負けない」
「止める暇がないほど不意の出来事ならば?」
「止められずともせめてお嬢さ……女神の盾にくらいはなる」
「その結果、君は大怪我をするかもしれないし、命を落とすかもしれない。聖衣なしの生身ではその可能性も十分にあり得る」
「そうなっても仕方がない。女神を護るのが聖闘士の務めだ。そうだろう?あなただってそうするはずだ」
「いや、俺は違う」
「は?」
「俺たち黄金はそうは動かない。神を害することができるのは同じ神か、その加護を受けた者による攻撃だけだ。人間が作った武器ごときどれほどの威力があろうとも、神を害することはできない。それを知っている以上、必要もないのに無駄にかばって黄金聖闘士が犬死するのはまずい」
「だが、万が一ということがあるじゃないか。あなただってその場にいれば絶対に勝手に身体が動くはずだ」
「まあ、咄嗟に身体が動いてしまう、というのは否定しないが。要は、俺たちは常に女神が『神』であることを忘れていない、という話だ。万が一がないからこそ神だ。神の絶対性を信じている、と言うべきかな」
「だが、絶対なんかこの世にない。万が一うっかり切られるようなことになれば痛いし、身体に傷でも残ったらさすがの沙織さんでも可哀想だ」
女の子の身体に傷跡なんて、と星矢か瞬あたりが嘆くと思う、と氷河が言うのを、だから、神には「万が一」も「うっかり」もないんだ、とミロは苦笑した。
人間であるカミュに対しては『完璧』だと言うくせに、真実、神である女神に対して『万が一』などと案じる氷河はやはりどこかが歪だ。
「君たちの女神に対する認識はずいぶん人間に近いところにあるようだが、本来、聖域では女神は生まれた瞬間から神であり畏怖する存在だ。どんな苦境もそれを使命として生まれたのであって『可哀想』などとは畏れ多くも思えない。女神が俺たちを導くことはあれど、女神を庇護する対象だと思うことはなく、女神を指して『女の子』などと言うこともない」
「……言いたいことはわかるが、だからってそれが何かに影響するとは思えないが」
「いや、大ありだ。青銅の身でありながら臆することなくポセイドンに立ち向かえたのは、我らの神と君たちの距離が近かったことと無関係ではなかった、と俺は思う。本来なら神を相手にすれば……まあ、背を向けて逃げ出していた、とまでは言わんが、深層心理までは普通はコントロールできないからな。対等に戦えるなどという発想はそもそも青銅聖闘士である君たちには起こり得なかっただろうな。神を神として必要以上に畏怖しなかったことで、君たちは奇跡を引き寄せたのかもしれん」
そんなことはないと思うが、と氷河にはやや不服そうだ。
まだ聖闘士になったばかりで、戦闘経験の少ない彼には、自分たちの特異性がまるでわからないのだろう。
「俺達黄金は、神に近づくために、人間らしい感情はできる限り排除して戦うよう訓練されている。だが君たちは……人間として戦うことそのものが強みになっているように思うな。迷いも涙も人間にはつきものだ。君はカミュとまるきり同じにする必要はない。少々泣いたところで折れたりはせん。自分を信じていい」

***

以上、ミロが冗長すぎたな、と思いアナザーディメンションしたシーンでした。

それではまた。

手のひらの六花更新

なんだかんだあってシベリア月間ほぼスルーしてしまいました。

前回雑記の補足ですが、書いた後でツイッターで情報拾いました。
普通、眼球を怪我したら、片目だけではなくて両目を覆うのですって。
怪我した方だけ覆っても、怪我していない方の眼球が動くと一緒になって動いてしまうからだとか。
なるほど、言われてみれば両目って連動して動きますね!
怪我しているのにぐるぐる動いたら痛くて仕方ないから、そりゃ両目覆うしかないですよね。
ということは、わたしがあんな長ったらしい雑記書くまでもなく、医学的に見れば、氷河って、あの目の傷は、「眼球に傷がつくまでもないような浅い傷」だったってことで確定じゃないですかー。
あっさり説明がついてしまいましたが、以後、自信をもってこの設定を推していけると思いました。

さてさて。

手のひらの六花を更新しましたが、聖域の性生活事情に触れるのがアウトな人は今回は注意が必要な内容かも??

難しいですよねー。
聖域、ほんとどうしていたんだろ。

全員が全員、禁欲的に過ごしていたって言うのもな……黄金聖闘士全員がドウのテイだったと思う??
硝子の10代から20代を、女神のお膝元、神域でそのような世俗に塗れた行為はありえないとして、青い性をもてあましてもやもやしていても大変おいしゅうございますが、それはそれ、これはこれで、年齢並みに青い春していてもおいしいかなあ。

みなさまの好みにより、これは一般論を語っているだけでカミュもミロもドウのテイである、と判断してもいいし、うっすら好きなキャラとの掛け算だかモブだか足して補完してくださってもよいです。わたしのそこのところの脳内設定(もちろん詳細にありますよ!)は内緒です。てへ。

ここまで書き進んできてとても今更ですが、カミュ氷からのミロ氷とか、カミュ氷前提のミロ氷とか、複数カプ混ざるの苦手な方は自衛よろしくお願いします。本当に今更だな……
常に自分の性癖にしか配慮しておりませんで申し訳ない。
この後もこんな感じてゆるゆると続いていきます。

そして、私事なんですが、ちょっと前ですが、ビッグサイトの某イベントへ行ってまいりました。
星矢イベじゃなくて残念でしたが、243年ぶりにイベント会場で同人誌を買ってとてもとても楽しかったです。
買ったのはあれです、去年の夏コミで話題になったC翼の神アンソロです。
嘘みたいな豪華な執筆者様が並んでいる、あの……
受け取った瞬間に青春の思い出がどわーっとよみがえって思わず涙ぐんでしまいました。激しく変な人でしたが、どうやら夏コミでも涙ぐむ人続出だったらしく笑
みなさん泣くんですっておっしゃっていた売り子さんも、泣くほど喜んでもらえてわたしたちも嬉しいですって涙ぐんでいらした。
あの頃のわたしに教えてあげたい。
四半世紀たってもお前はまだ同じジャンルで萌え泣きしている……!笑

さらに、星矢でお世話になった方が別会場にちらほらいらっしゃったようなので、ご挨拶させていただき、これがまた楽しかったです。
考えてみればお互い性癖知りつくしているのに、「はじめまして」なのが不思議な関係ですね笑
あーん、複数プレイ好きの〇〇さん、はじめましてー!って笑
アポなし突撃だったにも関わらず、皆さん、とってもやさしくて、その上めちゃくちゃ素敵でした。
作品ももちろん大好きなんですが、お人柄に触れてますますファンになりました。
「神は実在した……」みたいな感動に包まれながら帰途につきましたが、全然別ジャンルで活動されているのに同じイベント会場にいらっしゃることを把握してあのべらぼうに広いビッグサイトの何百(何千?)というスペースから探し出して突撃したわたしストーカーっぽくて怖くない……?と、冷静になったのは帰宅してから3日くらいたってからでした。
直接お会いして好きですと言いたい勢いに押されすぎて、理性が全く働いておりませんでした。失礼がなかったことを祈りたい……。

でもイベントやっぱりいいなあ。
HPの定期更新すらままならないほどリアル生活いっぱいいっぱいでなかなか参加できませんが、でも、また行きたいな。
ゆっくり自分の趣味時間が取れるようになるころにはおばあちゃんになってるかもしれませんが、おばあちゃんになっててもいいからチャンスがあるならば極力行こうと思いました。
わたしもういい歳だしなーと若干の気後れも感じておりましたが、会場内に集まっていた皆さんの熱気に触れているうちに、おばあちゃんでも参加していっか、と思えました。
基本的にみんな推しのことしか見えてねえー!って感じだったので笑
腰の曲がったおばあちゃんが買いに来たところで、だからどうした?って感じだろう。何なら何かのコスプレと思ってもらえるかもしれない?
そして少なくともR18本は堂々と買える!

そんな目標を胸に、また、日々細々とがんばります。

手のひらの六花更新

氷河誕に上げる予定だったお話を更新しました。
というか、これを氷河誕前にUPして、氷河誕にはR18を持ってきたかったのに……という、誕生日は桃色で祝わなきゃ、という謎の自己ルールに従えなかったのが残念。

直前で、アイザックに関する解釈を変えたので修正していて誕生日更新は間に合いませんでした。何カ月も文字とにらめっこしながら書いちゃ消し書いちゃ消しして悩んでいたことが、もうだめだーと諦めてしばらく書くのをやめたころに、ふっと新しい解釈が降ってくること、ないですか?今回それでした。

ので、本日雑記のお題はアイザックです。
初出版はあんまり深く掘り下げなかったから気軽に書けたけど、真剣に掘り下げるとめっちゃ深いな、アイザック……。

アイザックを考える時に外せないのは、氷河の左目の傷ですが、実際のところ、あれはいったいどの程度の怪我だったのでしょうね。

氷河自身は「この程度、瞼を傷つけたにすぎん。失明まではしないぞ」って言っています。
なおかつ、ND時点では包帯を外していて、視力に問題があるような描写も見受けられないことから、無印終了からNDまでの間に完全に治癒したのだろうと思われます。
失明するほどの傷ではなかった、は事実認定しても差し支えない、かな。

ただ、ND時点で失明が避けられているからと言って、深い傷ではなかった証明にはなりません。
となると、可能性は2つ。

A 氷河の言葉どおり瞼しか傷ついていない状態だった
B 氷河の言葉は事実誤認、あるいは、氷河の強がり、又はアイザックへの気遣いに過ぎず、かろうじて治癒はしたものの、それなりに深い傷だった

わたしは深く考えることなく氷河の言葉どおりAだとしてこれまで創作してきましたが、今回は一応、Bの可能性も考えてみたいと思います。

受傷直後はわりと激しく出血し、その後しばらく左目は開かないほどでした。
出血量からして瞼のみの怪我だったにしろ、かすり傷程度ではなさそうです。
となるとどの程度の怪我であったか、ハーデス編の描写がポイントになってくるわけですが、失明していた紫龍が「冥界では見える」「冥界では肉眼でものを見ていない」状態であることを氷河は知ったにも関わらず、自分自身の左目については包帯を外してみようともしていませんよね。その行動をもって、「本当は治癒しているが、何か意図があって包帯を外さなかった」と解釈してきましたが、ちょっと待って。

「肉眼でものを見ていない」なら、包帯があろうとなかろうとどうでもいいことじゃない……??
怪我の具合が治っていようと治っていなかろうと、氷河が面倒がって包帯を外さなかった可能性はありありです。あってもなくても「見える」んだもの。緊迫した戦闘中にわざわざ外す意味もないじゃない……??包帯を外していない深い意図なんて特にないんじゃ……??

いきなりあの、巻かれたままの左目の包帯に、深い意図などないという結論が出てしまいました。いけません、それはそれで氷河らしくて可愛いけど腐的にいけません……!

と、とりあえず、それは一旦置いておきます!

え、えーと、話を元に戻して、氷河の怪我がハーデス編時点で、本当に治癒していなかった、と仮定してみます。「本当は治癒していたけど意図あって包帯をしたままにしていた」という解釈を白紙にしてみるわけですね。

出血具合からは、瞼にどの程度かの裂傷を負ったのは確実。
ポセイドン編終了からハーデス編までどのくらいの時間が開いていたかは諸説あるところですけども(リンク先某様の考察など大変大変読み応えありますので参考にしてみてください)、2週間~1ヶ月くらいとわたしは想定しています。(そんな短い期間にすらミロ氷をぶっ込みたい乙女心。3か月も4か月も天蠍宮で同居しているように読めるかもしれませんが、六花はせいぜい2~3週間の出来事なんです笑)
単なる瞼の傷だけならば、抜糸(平均10日ほどで抜糸できるようです)すればだいたい包帯も一緒に外れますから。
ハーデス編開始時点で包帯が取れていない=抜糸できていないor治癒していない=あの傷は、瞼どころか眼球に達していたという可能性がでてきます。

傷を負った直後、氷河は左目を開けていませんよね。
単に血が目に入って開けづらかったのか、開かないほど深い傷だったのか、いずれにせよ、鏡も見れないあの状況で、どこまでの傷か、正確に本人が把握できていたかはとてもあやしい。

ちなみに、眼球の場合、角膜に外傷を負っても、網膜に不可逆的な外傷を負わない限りは十分に治癒の可能性はあるようです。
聖闘士の氷河ですから。
痛みにも血にもそう弱くないんじゃないでしょうか。
眼球に傷がつくような大怪我でも、自覚なく、「この程度」と言ってのけた可能性はあります。
あるいは、眼球に達する傷を負った自覚があったとしても、アイザックに対しては、罪の意識から、この程度、と言ったのかもしれない。
または単に、かっこつけの強がりで、この程度、と言ったのか、大真面目に自分の傷の深さに全然気づいていなかったのか。

いずれにせよ、氷河の左目は実は大ダメージを受けていた、と仮定しても矛盾はないように思います。

そうなると、冥界で、氷河が包帯を外さなかったからといっても不自然じゃない。

紫龍は外傷があったわけではありませんよね。
マハローシニーの光で失明していた紫龍と違って、氷河は外傷なので、雑菌(冥界にいるかどうか不明ですが)に傷口を晒すのはよくないと考えたかも。
又は、ある程度治癒していても、あまり人目に触れさせて美しい状態ではなかったのかもしれない。意外に「美しい」ものに拘りのある氷河なので(マーマとのシーンより推察)、第七感で戦うことを覚えた少年に、視覚はあまり重要でなく、ならば、あえて醜く治癒経過中の傷口を人目に触れさせるまでもない、と。

ね?

ちゃんと(?)がっつり眼球まで傷ついていて包帯が必要だった可能性も排除できないし、氷河の言葉どおり、瞼しか傷ついていない軽症で、既に治癒していたけど意図して包帯は外さなかったのかもしれない。

どちらの可能性も五分と五分。

なので、氷河サイドから深い傷だったか浅い傷だったかを考えるのは一旦置いておいて、アイザックの意図という視点から今度は考えてみたいと思います。

こちらは4パターン考えられると思うんです。

1 意図して眼球を傷つけた
2 意図せず、結果的に眼球を傷つけた形になった
3 意図して瞼しか傷つけなかった
4 意図せず、結果的に瞼しか傷つけられなかった

わたしの今までの解釈は3でした。
でも、可能性で言うなら全部ありうる、と思う。

1の場合。
氷河が「俺の目を潰せ」と言ったから、言われなくともそうしてやる、と、その言葉通りにがっつりいったわけですね。
なぜそうしたか、は無数に分岐があります。
氷河の気が済むように誘いに乗ってやった、とか、あるいは、アイザックは心底氷河に憤りを感じていたとか、はたまた、氷河だろうと誰だろうと海闘士の責務を淡々と果たしただけ、とか。
ただ。
氷河の目は結果的に潰れてはいないので。
まがりなりにも海闘士。本気で眼球を潰しにかかったなら、目標を仕留めそこなうもんかな?
だいたい、本気なら足で蹴り飛ばせばいいところ(氷河はアイザックの足元に這いつくばっていてめちゃくちゃ蹴りやすい位置関係にいたのに)、多分、指ですよね、これ……
だから、可能性としてはゼロではないけれど、1はかなり可能性としては低いのではないかな、と思うんです。
意図して本気で目を潰しにいっていたならやり遂げられなかったことに矛盾が生じるかなーと。(もちろん、アイザックの言葉通り、どうでもよかった、のかもしれませんけど。絶対潰してやる!ほどの故意性もないけど、潰れたら潰れたでいいわ、くらいの未必の故意、的な。)

ただ、目標を仕留めそこなってしまった事情がアイザックにはあるにはあって、それが、2と4にもつながるんですけど。

2と4というのは、深い傷であれ、浅い傷であれ、アイザックの意図に反してそうなってしまった場合です。
脅しか威嚇、あるいは警告のつもりで放った攻撃が思いがけず深く入りすぎてしまって眼球に傷がついた。

又は

本気で氷河の目を潰しにかかったのに、結果として、瞼を(あるいは眼球のごく浅い部分を)傷つけただけで終わってしまった。

真逆の現象ですが、どちらも原因は同じです。
アイザックが後天的な隻眼だったから。
距離を、測り損ねた可能性があると思うんです。
隻眼となって1年。片目での視界、どの程度慣れていたでしょう。
目標物に対する距離を正確に測ることに、もしもまだ慣れていなかったなら。

小宇宙による攻撃(オーロラボレアリスとか)は目標物との正確な距離はあまり意識しなくてもできたと思うけど、目潰しという物理攻撃は、とても皮肉なことに隻眼ではうまくいかなかった、としたら。
たった瞳ひとつぶんですが、彼の意図と僅かなズレが生じた、可能性はあると思うんですよ………。

その傷が深いか浅いかに関わらず、自分が意図せざる結果になったことは、アイザックの心をも少なからず傷つけたに違いない、と思うのです。
戦士として生きている彼にそれはとても酷な結果だと思うから。

だから、わたしは、2と4の解釈は捨てたい。
可能性としてはあるけど、そう解釈することは、わたしが辛い。
アイザックがあまりに切なすぎて。
氷河の傷は、できれば、「アイザックの意図どおりに」ついた傷であって欲しい。願望です。

結果的に今までの解釈と同じ、アイザックの意図で、故意に軽い傷しかつけなかった、という、今更改めて検証するまでもない結論に落ち着いてしまいましたが、いいんです、ふわっと考えても、理詰めで考えても同じ結論になるよっていうことが今回の成果です。

だから、ハーデス編が始まるまでに治癒していた、けれど、氷河の意志で包帯は外していない、という解釈で今後も書いて行きます。

でねでね、どうしてアイザックが氷河の目を潰さなかったのか、ということなんですけど。

単にやさしさとか、弟弟子に情けをかけて、とか、氷河のことを好きで、とか、事はそう単純でもない、とも思うんですよね。
戦闘で無我夢中だった氷河が、海底から戻って自分の傷の状態を正確に理解して、アイザックの気持ちをどう理解したか、というのはとても難しいですよね。
アイザックと氷河は互いに誰よりわかりあっているから、考えていることが手に取るようにわかる反面、だからこそ、氷河には、アイザックが海闘士になると決意したことがどうしてもどうしても理解できないはずで。
氷河が知っているアイザックは絶対にそんなことをする人間じゃないもん。
だから、「アイザックを海闘士にさせた何か」はミッシングピースなのね、氷河にとっては。
ピースの欠落した状態では決して完成しない「海闘士アイザック」という絵なんだけど、でも、彼が地上を破壊するその姿は間違っているっていうことだけはわかる。
全部を理解しないまま、結果だけは飲み込まないといけないの、つらかっただろうな……。

 

その欠けたピースの部分、氷河が知らない、アイザックの物語は、また別の話になりますね。
何を思って氷河と戦ったのか。
なぜ海闘士になることを選んだのか。
氷河の物語の中では書けないので、いつかまた雑記ででも書ければいいな。

それでですね。
わたしは氷河再推しでむかしも今も大好きですけど、だから敢えて言っちゃいますけど、氷河、やっぱりちょっと甘っちょろいですよね!?(そこが好きなんですけど……)

氷河視点でそれを書くのはおかしなことになるので書けなかったんですけど、アイザックに対して氷河、「俺の目をつぶせ」って言いましたよね。
あれってね、とんでもなく、甘えた台詞だと思うんです。
アイザックの左目に対して責任を感じているなら、その場で、自らの左目をくり抜いて差し出せばいいんですよ。
それを自分ではせずにおいて、よりによって当のアイザック本人に落とし前をつけさせる、というところが……。
ツイッターなら絶対炎上案件です笑
氷河「@isaac 生きていてくれたのか……。詫びても詫びきれない、俺の目を潰せ、同じように顏に傷をつけろ!そして殺せ!」
モブA「@isaac@hyoga あんなことしたアイザックさんに対して今度は加害者になれですか(呆)それ言われたアイザックさんの気持ちを考えたことあります?そういう形で謝罪しても、すっきりするのは自分だけだと思います。」
モブB「@isaac@hyoga 口だけ乙w」
モブC「@isaac@hyoga FF外から失礼します。嘱託殺人は罪に問われますよ。削除した方がいいと思います。」
ああ~、見える、見えるよ、氷河くん、炎上は恐ろしいよ!!笑

真面目な話、氷河は心底申し訳なく思っていて、本当に命と引き換えでも詫びきれないと考えてつい口走ってしまったと思いますが、ただ、やっぱり言われた方はたまったもんじゃないですよね。
氷河は自覚なくアイザックに甘えていて、アイザックも自覚なくそれを許していて、修業時代はそれで誰も困っていなかったわけだけど、ああいう形で対峙して初めてそれが違和感になる。
ああ、お前、自分の罪悪感の落とし前までも俺につけさせる気なのか、と、すごく複雑だったと思うんですよ、アイザックは。お前ってそういう奴だよな、変わってないな、っていう懐かしさと愛おしさと、やりきれない苛立ちと。氷河に対しての苛立ちというより、同等であるはずの氷河を無意識に庇護下に置いていた自分自身の傲慢さに気づいての後悔、みたいなね。氷河が想像できないような複雑な思いはあったはず。

ちなみに、紫龍なら、あれ、間違いなく自分で目を潰してましたよね。
問答無用ですよ。相手が止める暇もない感じ。迷いがない。

ただ、氷河好きとして氷河を庇わせてもらうと。
氷河にはね、その発想は、できなくても無理はないと思うんです。
氷河は幼少期にしっかり愛されて育った子どもだから。
加えて母親はもしかしたらロザリオ持っていたことからしてカトリックかな、と思うんですけど。宗教詳しくありませんが、自殺は罪だと考えられていたはず。
けじめのためにではあっても、自らの身体を自分自身で傷つける、という発想が、良くも悪くも氷河の中にはなかったんではないでしょうか。

でもね、なんというか、氷河のそういう、「戦士に不向き」なほどの裏表のなさ、悪気ない素直さが、アイザックに、最期の瞬間、やさしい兄弟子の顏を取り戻させたのかもしれないな、そしてそれはアイザックを救ったのかもしれないなとも思うんです。

うーん、難しいですね、シベリア。そして奥が深い!!

でね、でね、既にいい加減長いけどもうひとつあるんです。

カミュの死とアイザックの死。
氷河にとってどちらもすごく重くて同列に語ってしまいがちなんですけど、それでもやっぱり意味は全然違うように思うんですよね。

聖闘士として戦い、死んだカミュと、海闘士として氷河の前に立ったアイザック。

アイザックがどんな事情でそれを選択したのであれ(個人的には単純に悪の道に堕ちたというよりは、28歳弟なカノンとの出会いの影響が大きかったと見るべきと思っていますが)、聖域サイドにとっては、やはりそれは重大な過ちなんですよね。
ほとんど内輪もめの、銀河戦争ともサガの乱ともわけが違う。
一般の人を巻き込んだ、その時点で、氷河はやはり心の中の兄弟子と訣別せざるを得なかったのでしょう。
氷河は今もアイザックのことを大好きで、心から彼に申し訳ないことをしたと悔いていると思いますが、それでも、アイザックと戦い、彼を倒したことについては、どこかで、「仕方なかった」「誰かがそうしなければならないなら自分がけじめをつけられてよかった」と割り切れた部分はあったのではないかと思います。後悔しているのは、アイザックを海へと結びつけるきっかけをつくってしまった自分の愚かな行為そのもので、彼と戦い、斃してしまったことではない、みたいな。矛盾しているようですが。わたしの拙い言葉でニュアンス伝わるかなあ?

一方で、カミュの死については、氷河はなかなか割り切ることは難しいんじゃないかな。
カミュは正義に悖っていたわけではないので。
カミュが何を考えて戦ったかは作中で明かされていないわけですが、氷河は「男なら途中で節を曲げる事なく自分の立場で闘い抜く」ことを教えてくれるために戦ったのだ、とカミュの行為を解釈しているわけで。
カミュは偽教皇の企みに加担していたわけではない(星矢も瞬も完全スルーで通していますしね)ことは明らかで、となると、つまり、カミュは真実、自分を導くためだけに戦い、そして死んだ、と理解しているわけで……。

これはキツくない??
なかなか簡単に割り切れない気がする。

いや、もちろん、原作では氷河はすっきり(?)割り切っているように見えるけど、そんな簡単なものじゃないよね!?
あの氷河だよ!?

派生ではあるけど、Ωで、氷河が水瓶座聖衣を「我が師の聖衣」と現在進行形で無意識に言い切ったことに、わたしはすごく衝撃を受け、そして心の中でΩスタッフと熱い握手を交わして泣いたもん。
Ωってカミュが死んでから何年経つ設定だよ……でもわかる。だよね、氷河、まだ終わってないよね、君の中ではね、みたいな。簡単に過去にできない葛藤はあるに違いないよね、みたいな。

そう思うから、わたしは延々とカミュの死を克服しようともがく氷河を書き続けているんだと思います。
あっさり克服しちゃうクールな氷河も好きですけどね!

そんなこんなを盛り込んだ、手のひらの六花6話目でした。
本編より多分雑記の方が長い笑
全然盛り込めてない笑

断定口調で書いていますけど、毎度のことながら、「お前がそう思うんならそうなんだろう、お前ん中ではな」レベルの妄想ですのでご容赦を~。