寒いところで待ちぼうけ

ネタ


考察に見せかけた妄想

性表現あります。18歳未満の方、閲覧をご遠慮ください。

主にカミュ氷とミロ氷、一氷です。

◆ねこねこ◆

 獣化について語ります。
 動物からみのネタがよく登場するほどには動物好きなんですけど、だからってそれが高じて獣化!?……ってわけではありません。多分。
 実は先日、「氷河猫の発情期」「発情期中は苦しい」などという萌えネタ投げかけられまして。

 何ソレいいねえー!!猫飼ったことないので生態知らないけど、交尾したいのにできなくて苦しむ氷河猫っていうのはなんか滾るねえー!!
 氷河はたいていひよこだのあひるだのに例えられること多いので、猫のイメージは全然ないのですが、でもなんだか萌えるキーワードが散りばめられてた気がするのでそこはどんどんアグレッシブに受け止めたい!だいたい獣化っていうのは「っぽいか」「っぽくないか」でなる動物を決めるようなもんじゃない。(ですよね?)

 そんなわけで、今まで語ったことがない自分の中の獣化萌えについて、これを機にまとめてみました。

 獣化。
 特殊シチュエーションの部類に入れど二次創作界ではわりとポピュラーな設定なので、もはや説明は不要かと思います。
 が、蛇足を承知で定義を整理します。
 書かなきゃ獣化のどのあたりに自分が萌えを感じるのか分析できない性質なんで少々(?)長文ですがおつきあいください。

 完全に動物に変化しちゃうのはギャグ以外ではほぼ見ないので(と、いいつつ、少し前になりますが、まんま動物♂×動物♂の18禁ものをうっかり読んだことあります。な、何を言ってるのかわからねーと思うが、俺も何を(ry そんなもの「うっかり」読んでしまう状況ってどんな状況だったのかは突っ込み無用です。異種間動物、しかも雄同士、ばっちり18禁エロスという衝撃的な内容でしたが、にも関わらず萌えてしまった自分に二度衝撃です。違うんですよ、切り口がすばらしく完璧なBLの王道で作家さんが相当に巧かったんですよ!いやほんとに!)、ここでは獣化というより半獣化、といえばいいのか。

 半獣化、つまり、ひげが生えたり、角が生えたり、あちこち毛が生えたり、細部は書き手さんの好みや何の動物に変化するかによって様々ですが、『耳と尻尾がキャラに生えてしまう』のが獣化だと定義できるほど、この二つは絶対条件ではないでしょうか。「けもみみ」だなんて単語があるほどですもんね。
 そして、ここ大事。
 その100%の確率でついちゃう耳と尻尾はこれまたほぼ100%の確率で『性感帯』という設定がつくんですー!
 エロいことしてくださいと言わんばかり。むしろ潔いほどにエロ目的の設定。うーむ、この潔さ、嫌いじゃない。

 エロ目的の耳&尻尾が足されたキャラ、それだけでなんか胸の辺りにもやもや熱いパッションが迸るような気がするんですが、獣化にはさらに萌えるオプションのバリエーションが体系化できまして。
 例えば、「言語」というオプションのバリエーション。
1 完全に言語を失って鳴き声しか出せなくなる。(にゃあにゃあ、わんわんなど)
2 語尾だけ変化する。(「そうだにゃ」「困ったわん」など)
3 言語は人間のまま
 男性向けで多いのは1と2かな(なぜ知っているかは突っ込まない方向で!)。女性向けでは1と3と両方散見されますが個人的に好きなのは断然3です。
 ただし、「ふざけんなよ、なんだよこれ」と強気で怒ってる受けちゃんが不意打ちで尻尾つかまれて、「にゃあ」とうっかり本能のままに反射で啼きかけたのを全理性が総動員して堪えた結果、「ぷぎゃっ!」と変な声出てしまいました、みたいな1と3のリミックスバージョンとかいいと思う!
 人間の矜持を失うまいとしつつ、気が緩むと獣の本性出ちゃうとか最高。だ・い・す・きです!
 氷河猫がそんなことになったらミロあたりは鳴き声出させようと面白がって(性的に)超虐めそう。氷河猫、絶対ミロには聞かせてなるものかと必死になって唇かんで声を殺すからー!
 さんざん無音で喘いで、堪えるために縋ったシーツは噛み跡と爪痕でボロボロ、涙目うるうる、却ってエロいことになってるのにそれでも最後の最後まで声を出すのを堪えきった氷河猫をミロは半ば賞賛のまなざしでみつめて、君の強情には驚かされるな、と笑う。
 参った、今日のところは君の勝ちだ、とポンポンと頭を叩かれて、揺さぶられまくって息も絶え絶え、疲労困憊でうとうと眠りかけていた氷河猫、うっすらを目を開いてミロを流し見てひとこと。「にゃあ」(本人「ざまみろ」と言ったつもり)
 うっかり人間語失ったことに気づいていない氷河猫、そのまま文字通り猫のように丸くなってすうっと眠りに落ちていく。残されたミロ、笑い死に。
 氷河猫、片目だけ開けてうるさい、と抗議した後はそのまますやすや。
 目が覚めて人間に戻った時、鳴いた鳴いてないでひと悶着。本当は氷河、記憶を辿って鳴き声出したような気がすることに気づいているけど認めるわけにはいかない。断じて俺は猫などではない!
 こういう、「俺は人間だ!」って必死に抵抗しているのを「にゃあ」って言わせる流れが好き。

 同じバージョンでもカミュ先生の場合は(一見)クールですから。うっかり漏れた鳴き声くらいでいちいちからかったりしません。
 先生が何ごともなかったようにスルーしてくれるので、ほっとして気が緩んだ氷河猫(173cm 60kg)、先生の膝に乗っちゃう。
 もう何年も前に卒業したはずの膝抱っこ、人間の時はカミュが呼んだって「子ども扱いはよしてください」なんて怒ってみせるくせに、今は堂々としたもの。だって猫だから。
 なんとなく幼い頃を思い出して懐かしそうに目を細めてカミュは、よしよし、と膝の上の(というにはだいぶはみ出ている、大きく育った)氷河猫を撫でる。
 そしたら何やら音がする。
 ゴロゴロ。ゴロゴロ。
 どこから聞こえているのか視線を巡らせば───氷河猫の喉が鳴っている。撫でられるのが好きなのか……人間の時もか?とさすがに少し可笑しくてふふっと肩が揺れてしまうのだけど、カミュ先生は膝に乗ってる猫にそれを悟らせたりはしない。こういう時のためのクール修行。先生がいつも通りなものだから、自分の喉が鳴ってることにも気づかず、氷河猫、撫でてくれるカミュの手をうっとり堪能。
 だから、よしよし、ゴロゴロ。よしよし、ゴロゴロ。エンドレス。
 猫から人間に戻った時、我に返った氷河が、猫の本能に従ったといえ自分がとった行動のあまりの恥ずかしさに頭抱えてしまうんだけど、カミュ先生は何食わぬ顔でポンポンと自分の膝を叩いてもう一度氷河を呼ぶ。
「からかうのはやめてください、カミュ!もう今は猫ではありません…っ!」
「猫でなければ乗ってはならないと誰が決めた」
「それは……でも、子どものようで嫌です」
 子ども扱いしているわけではないと(身体で)わからせばよいのだな、と今度はからかう色を乗せた声ではっきりとカミュは笑う。
 氷河はもう赤くなって声も出ない。
 いいからおいで、と再び甘く呼ばれてしまえば氷河に抗う術なんかない。真っ赤なままおずおずと膝に乗る。今度は抱っこでもよしよしでもない、触れたところがじんわり甘く疼くような抱擁で、後はお決まりの幸せいちゃ甘宝瓶宮。

 えー…まだ全然本題に辿り着いていないのに盛大に話が逸れましたが、元に戻しますと!
 言語以外にも獣化において重要なポイントはまだあります。
 それが「人間性の残存の程度」
 上記の事例で既に混じっているのでおわかりかと思いますが、完全に人間性を失ってまんま獣になっちゃって「食欲、睡眠欲、性欲」のみで行動するようになっちゃうパターンと、中身は全く人間のまま、獣に変化してしまった肉体を持て余して悩んじゃうパターンとかね。一部だけ人間性が残っているのに、性欲だけが大暴走っていうリミックスパターンももちろんあり。

 それからそれから。
 獣→人間に戻った時、変化している間の記憶が残っているかどうか、なんてのも大事。
 本能のままに性欲満たしまくって戻った時、ああああ俺は一体何をしてしまったんだ、と頭抱えて羞恥プレイからの第二ラウンド開始でもいいし、本人なーんにも記憶は残っていなくて、「あいつ昨日はすごかったよな…」「すました顔して実は…ゴクリ」なんて周囲だけがもやもやしててもいい。

 なんかもう発情期関係なく、獣化とは18禁エロである、みたいな結論が出かかっていますけど。
 いや、はぐはぐご飯食べてるだけ、すぴすぴ眠ってるだけのお話でもかわいいっちゃかわいいけど。ここまでドン引きせずについてこれた方が求めているのは多分それじゃない(笑)

 かように、ひとくちに獣化といってもいろいろです。
 バリエーションの組み合わせ次第で可能性は無限大。
 普段「ああん、そこ、イイ、もっとぉ」「アツイのいっぱいでてるぅ」なんて死んでも言わなさそうな誇り高いキャラには、『言語は人間の言葉のままなのに人間性を失って完全に獣化しちゃう』というバリエーションを選択するといい。
 獣の本能のままに卑猥な言葉言わせまくり。フフ。
 いや、別に「もうらめぇ」なんてキャラ崩壊気味の台詞を盛り込めって意味じゃない。
 クールなキャラならクールなままにど直球に本能に素直になればよろしいがなって話です。
 いく瞬間はキスしていたいだとか、舐めるのは嫌いなんだけど嫌いなくせにどうしてかお前のを舐めると俺も感じるんだよな、とか、あーいいそれ最高もっとしてくれ、とか心の声だだもれ。
 もちろん、この場合は人間に戻った時に記憶が残っているのがいい。羞恥と屈辱で当分部屋から出てこないくらいの勢いの受けちゃんをお前って最中あんなこと思ってたんだな、とじわじわ言葉でいたぶりつつ宥めるためにうやむやえっち突入、という美味しい展開が待っている。いいねえー!ご飯がすすむねえー!食欲の秋だねえー!

 あ、途中からナチュラルに獣化=猫化、になってしまっていましたが、ちなみに獣化で一番多く扱われている動物はゆいま調べでは猫です。ほかに見たことがあるのでポピュラーなのは犬化とか兎化とか……時季によってはトナカイ化なんてのも。耳と尻尾が生えるという共通点で同じカテゴリに加えていいかわかりませんが悪魔化なんてのもありますね。
 でもやはり多いのは断トツで猫です。
 あれはなんなんでしょうね。
 わたし自身は犬派か猫派かっていうと断然犬派だっていうくらいわんこが好きなんですが、でも、獣化ジャンルにおいてはわんこ化よりはにゃんこ化の方が萌えるかなあ。猫っていう存在がツンデレっぽいから?どことなく色気があるから?
 ま、このあたりは突き詰めると話が逸れそうなので省略するとして。

 なんか獣化の専門家みたいな、もっともらしいこと語りましたが、わたし、「氷河猫」っていうワードいただくまで、獣化まっっっっっったく興味ありませんでしたからね!?(笑)
 獣化に特化して読み漁ったりもしてないので、「わたしが目にした獣化作品」を記憶を頼りに分析して、自分なりに咀嚼して見た次第。
 特化して読み漁ってないにも関わらず体系化を分析できるほど、世の中には結構な獣化作品が溢れているってことなんだと思います。た、多分。
 思えば女体化もアウトオブ眼中だったのに某様に萌えネタ投げかけられてから始めたのだったなあ。
 ゆいまの萌えはみなさまによってつくられております。ありがとうございます。


 と、獣化とは何か、ということが自分なりに整理できたので前置きを終わりまして。(まだ前置きです)
 ではようやく本題、氷河猫の発情期がどうしたって?(^o^≡^o^)

 猫化ってだけでなんかすごい色々可能性が広がった気がするのに、そこへ加えての発情期ですよ!!
 楽しそうな予感しかしない。
 普段はそっち方面さほど積極的な様子を見せない氷河くんが、制御できない性欲に翻弄されてたりすると、フフッってなる。
 驚異の光政遺伝子もってるもの。発情期はすんごいことになるんじゃないかな!?


 カミュ先生は悩んでるわけ。
 ミロとは楽しそうに対等に口をきいたりしているくせに、カミュの前では氷河はまさに借りてきた猫。本来の氷河は、規則を規則とも思わない、どこかやんちゃなところがあるにもかかわらず、です。
 とっくに甘い関係を結んでいるのになお越えられない師弟の壁がもどかしい。カミュはともかく、氷河の方はオンオフ区別をつけるのがまだ難しいお年頃。任務の時にべたべた甘えないのはいいことだけど、オフの時、それもこれ以上なくプライベートな空間、二人でいるベッドの上でもまだどことなく遠慮が残っているように思えるのが気になってもやもやしているカミュ先生。
(氷河としては遠慮しているわけではなく、一度死んだカミュが再びそばにいる幸せを噛みしめすぎていて、今はまだ「いてくれたらなんでもいい」状態。だから「氷河、何かしてほしいことはないか」「ないです、せんせい(にこにこ)」と、「なにか氷河のためにしてやりたくてしかたないカミュ」と「カミュがいてくれたら何もなくていい氷河」という微妙なすれ違い生活中なのです)
 大真面目な設定ならここからカミュと氷河のすれ違いを少しずつ解きほぐして、ちゃんとしたいちゃ甘ばかっぷるに成長(?)していく過程を書いていくところなのですが、が、しかし。
 何の因果か神の悪戯で氷河が猫化しちゃった。しかもいきなり発情期。
 猫化?それは一体何が原因で、そして一体どういう対策を、なーんて冷静にカミュが書物を開こうとしている手をつかんで、切なげに啼いて氷河猫は苦しさを訴える。
 もう立っていられないくらいぱんぱんのがちがちで、交尾したくてたまりません!と涙目で訴えるわけ。
(言語は例によって時折猫語のリミックス、人格は半分残っているけど大半は獣の本能で動いているがいいです)
 くださいください、お願いですから今すぐカミュの×××くださいって、ほとんどカミュを押し倒す勢いで乗っかる氷河猫に、猫化を解く方法探している場合じゃない、そこまで苦しいならまずは楽にさせてやらねば、とカミュが応えるのは必然。
 獣の本能むきだし、遠慮もへったくれもなく、自ら腰を振って「ああ、いい」と素直に悦がりまくる氷河猫に、日頃のもやもやが晴れたようにまんざらでもないカミュ先生もいつもより激しく。
 1回……2回……3回………
 様子が変だ、とカミュが気づいたのは何回目でしょうか。もう数えてもいられないくらい互いにめちゃくちゃに乱れて濡れて済んだ後。
 何度しても、果てた瞬間に氷河猫はまたすぐに「まだつらいです。もういっかい」と涙目で強請るのです。
 さしもの黄金聖闘士カミュ先生も疲労困憊。
 す、すこし待っていなさい、という制止もなんのその、交尾相手を求めるための性フェロモンたっぷり含んだ艶声で放つ少々卑猥な単語混じりの懇願が十二宮中に響き渡ります。
 その上、カミュが駄目ならば、と宮の外に(というか普段の交流相手を考えれば確実にミロのところに)交尾相手を求めて出て行きそうな勢い。
 仕方なくカミュ先生は氷河猫の両腕をベッドに拘束し、声を出せぬよう口を塞いでおいて、よろよろと寝室を後にして書物庫へ。
 そこで猫の発情期とは、というのをようやく調べ………
『種レベルでの生命の維持をかけた遺伝子に組み込まれた本能のため、交尾させないのは餓死するのと同じレベルで辛い』
『一晩で30回交尾する猫もいる』
 ……30回……餓死レベルで辛い……30回……
 そうとあらかじめ知っていればもう少し体力温存するための工夫をしたものを!!
 うっかり積極的な氷河にご満悦でかなり濃いのを既に何度もこなしてしまいました。一生の不覚。
 手加減したせいか、口枷は緩かったようで、寝室からはカミュの助けを呼んで啼く、切迫した切ない懇願の声がしています。苦しそうです、今にも死にそうな声です。
 さてどうする、カミュ。
 A どうもこうもない、最後までつきあう(ことが可能だろうか…)
 B 心情的には受け入れがたいがこのまま氷河が苦しむのも見ていられない、応援を呼ぶ
 C いっそのこと氷河を氷漬けにして自分の体力が回復するのを待つ
 Cかな、と不穏な結論に傾きつつあるところに、宝瓶宮に救い主が現れました。
 みなさま大方の予想通り安定のシュラです。
「口出しするつもりはないが今日のはちょっと度がすぎるぞ!」
 上の宮から桃色な空気が漂いくるのには慣れているシュラですが、空気どころか、まんま嬌声がどんどん届いて気になって修行どころじゃない、という苦情を申し立てに来たのです。
 自ら選択したわけじゃないにしろ、成り行き上、Bを選択することになってしまったカミュ、しかしまあミロでなくてよかった。シュラなら安全。(?)
 百聞は一見に如かず、と寝室に案内して氷河猫をシュラに見せて事情を説明するカミュ。
「……と、いうわけだ」
「(来るんじゃなかった)」
「そこでシュラ、頼みがある」
「断る」
「お前の自慢のエクスカリバーでひとつ氷河を慰め」
「俺の聖剣を性具のように言うなああ!断ると言ったろうがあ!」
「だめなのか?」
「だめに決まっている!」
「そうか…不能だったとは知らなかった。それはすまないことを頼んだ」
「そういうの意味の『だめ』じゃねええ!気の毒そうに視線を逸らすなああ!」
 二人が侃々諤々やってる間にも、氷河猫は「もうこの際シュラでいいから(なにげにとても失礼)はやく」と苦しんでいます。
 氷河を抱きたいなどという願望は一ミリも持ち合わせていないけど、こういうのにシュラは弱い。
 カミュに言われたらアホか!と一蹴するけど、氷河に、楽にさせてください、と懇願されると断れない。だいたい、発情期の猫の発するフェロモンは伊達じゃない。どんなに鉄の意志をもってしても抵抗なんかできない。
 というわけでまさかまさかのカミュ先生立会いのシュラ氷展開。(カミュ先生見てる前でってすごい変態ちっくだな!でもそこがいい!(開き直り))
 しかし光政遺伝子を持った発情猫の威力は黄金聖闘士をも殺す。
 何回いたしても満足しない氷河猫を前に疲労困憊のシュラ。失望感をあらわにカミュが言う。
「なんだ、もうだめなのか。結局不能ではないか」
「お、お前が言うな!」
「チッ、つかえぬ男め」
「おい、聞こえたぞ、カミュ!」
「さて、となるとどうするか(聞いてない)」
 心折れて絶句するシュラを置いて思案するカミュ。
 この後の流れは省略しますが、こうして次々と応援を呼べば、夢の桃色十二宮制覇も不可能じゃない!宝瓶宮に屍累々。
 そろそろオチが読めて来たと思いますが、しかしですね十二宮制覇しても氷河猫はまだ元気なわけです。
「…くっ…お前はどうだ…」
「俺はもう指一本動かせない…」
「お前もか…」
「たかが青銅聖闘士一人と侮っていたが、まさかここまでとは…」
 氷河猫の完全勝利(?)かと思われたその時です。
「いや、ま、待て、まだあの男が残っている…!」
「ハッ。そ、それはもしや、」
「だがあいつは一度は聖域から追放された身」
「むぅぅ、しかしこのままでは我らの敗北は必至」
「…むっ!近づいてくるこの小宇宙は!?」
「さてはフェロモンにおびき寄せられて奴の方からやって来たな!」
 ゴゴゴゴゴゴ。
 浮かび上がるシルエット。
「お、お前は!」
「サガの弟、双子座のカノン!!」
 かつてこれほど聖域で十三番目の男が待望されたことがあっただろうか、いや、ない。
 皆の安堵と悔しさと応援の視線を受けながら、もちろん据え膳おいしくいただいて、そしたらちょうど時間的にも発情終了。氷河猫ようやく満足してごろにゃんとカノンの胸で眠りにつく。
 十三番目の男は、十三番目の男だったがゆえに大勝利。
 こうして氷河猫の十二宮の旅は終わったのでした。
 (完)

 違う、絶対にこれは違う/(^o^)\

 カミュファン、シュラファン含めて全方位にごめんなさい。
 どうしてこうなったorz
 違うんですよ、えーとですね、「氷河猫の発情」っていうおいしいネタを生かしきれずに逃げてしまったのにはわけがありまして。

 実はどっちかというと「受けの猫化」より「攻めの猫化」が好きなんですー!
 ここまで長々と話をひっぱってきてまさかの前提を白紙に戻す暴論展開でごめんなさい。

「氷河猫の発情」ってワードをいただいたのと同じメッセージの中に「先住猫」と書いてあったのですが、それをナチュラルに「先生猫」と読み間違えた程度には、先生の猫化を脳内で全力で推しておりまする。
 というわけでカミュ先生を猫化させてみてもいいですか?氷河猫の方は多分ほかの方がとても素敵な萌えに昇華してくれるはず。(というか既にどこかにあったりしますか?おすすめあれば教えてください!)うちでは「獣化は攻め」の方向を推してゆきたいと思います…す、すみません。
(攻めの発情猫化がNGな方はここまでで!)

 氷河とは一線越え前、なんとなーく気持ちが通じ合ったような、でも、師弟としての愛情なのか、肉欲を伴った情愛なのか、お互いに相手の感情を探って距離を縮めかねている、そんな微妙な時期にそれは起こる。
 いつものように夕飯終えて一息ついていたところ、氷河のもとへカミュが近寄ってくる。
 近寄ってきた気配に顏をあげれば、ぺろり、と。
 唇の端に濡れた熱いものを感じて氷河びっくり。
「…え…っ?」
「…ソースが」
「え…あ、ああ、いやだな、ついていましたか?」
 子どもじゃあるまいし恥ずかしいな、俺、と赤くなって拳で唇をごしごししながら、でもだからっていきなり舐めるなんて(な、舐められた、よな?)先生どうしたんだろうと今起こった出来事を咀嚼しかねていたら、カミュ先生の唇がますます近づいてきて、さらにぺろりと。
「あ、あの、カミュ…!?」
 氷河の動揺も困惑も置き去りに、カミュ先生は氷河の肩を押さえ付けるように両手をおいて、ぺろぺろ、ぺろぺろ。(カミュ猫ってなんかめちゃくちゃ氷河を舐め回しそうなイメージです)
 こ、これってもしかしてキスなのかな(なんか俺が想像していたのとだいぶ違うけど知らないだけでもしかしたらこれが普通のキスなのかもしれない)、先生、俺と同じ気持ちを抱いてくれていたのだろうか、だったら嬉しいけど、とドキドキしていたら、視界の端で何か動くものが。
 ………しっぽ……?え…猫…?
 えっ!?と三度見するも、どう見てもカミュ先生が猫になってます。言葉はしゃべれるようだけど間違いなくいつものカミュじゃない。
 現実を認識する間もなく、カミュ猫が自分に構えとばかりにどんどんぺろぺろしながら氷河にのしかかる。
「ちょ、せんせ、あ、や、そんなとこ舐めたら、あっん、はぁ」
 今、先生は(どうしてだかわからないけど)猫なんだから、これはいつもの先生じゃないんだから、ただの猫の愛情表現なんだから、と努めて冷静でいようとする氷河ですけど、基本的にお年頃ですから。
 好きな人に触れられるのを拒絶しろっていうのも、唇やら舌やらに愛撫されまくって素でいろっていうのも無理な話。
 うなじに、耳に、二の腕に、と触れて「氷河を堪能」していた先生猫、ある地点でピタッと動きを止める。
 じーっと氷河の下半身凝視して一言。
「発情したのか」
 それはだって先生が舐めるから、と声を失って、だがすぐに氷河は、俺って最低、と自己嫌悪で真っ赤に。
 でも、先生猫は、フフッと笑って「恥じることはない。交尾すればおさまる」と服を脱がせにかかる。
 えっ!?えっ!?先生それはちょっと、とさすがに氷河は抵抗します。
 カミュのことは好きだ。カミュにこういう形で触れられるのを望んでいたと言えなくもない(ことに気づいたのはたった今だが)。
 が、肝心のカミュの気持ちはどうなのだろうか。
 だってこれはいつものカミュじゃない。思考も行動も完全に猫だ。
 猫から戻った時に先生が、「猫の戯れ」に肉欲を刺激されてしまった自分に嫌悪感を感じたりはしないだろうか、という思いが氷河にブレーキをかけさせる。
 しかし時すでに遅し。
 猫の発情、というのは、相手を誘発し、相手に誘発され、相乗効果で高まってゆくもの。氷河の発情を確認して先生猫、完全にスイッチオン。(発情する前から氷河をぺろぺろしちゃうんですよ、カミュ猫ったら。だいすきなんです)
 ちなみに普段のカミュはアニメカラーの青カミュですが発情期に突入すると赤目、赤髪の原作バージョン赤カミュになる。(ビジュアルで発情スイッチ入ったってわかると受けちゃんがドキッとするのでいい)
 あれよあれよという間に裸に剥かれて、氷河くん、その発情の証を口に含まれる。
 ああ、せんせいの口にそんなこと、いけない…。
 いけないって思っているのに強く抵抗もできない己を恥じ、同時に禁忌の想いがさらに氷河を昂ぶらせ、もう後ろめたいやら気持ちいいやら氷河は何が何だかわからない。氷河の混乱に構うことなく、先生猫はどんどん氷河を追い詰める。
「やあっ…離し、離してくださ…だめです、くちに、あ…そんな、あああっ」
 とろりと唇の端から零れた白濁をぺろりと舐めたカミュの瞳はもう完全に獲物を前にした獣のそれ。
 あとはもう為すすべなくめくるめく官能の世界へ。(一晩で30回したかどうかはお好みで・笑)
 さて。
 カミュ氷においては「うっかり一線越えてからの苦悩と葛藤」が萌えるわけでして。
 ここからの分岐はいろいろあります。
 その1
 氷河くんが、その夜起こったことをカミュに黙ったまま気づかせないパターン。
 カミュに猫化中の記憶はないのです。ただ、なんとなく氷河の様子が変なことには気づいている。氷河の持つ雰囲気が以前よりうっすら淫靡に変化したことも。
 そうか、氷河は自分以外の誰かと(ミロか?)一線を越えたのだ、と誤解をして、激しい嫉妬と師としての矜持との間で葛藤するカミュ。
 一方の氷河は。
 寝ても醒めてもあの日の夜のことが頭を離れない。カミュが猫じゃない時にあんな風に触れられたら、という願望で修行に身も入らないというのに、近頃のカミュはどうもよそよそしいのがつらい。(嫉妬を隠すためにカミュは氷河を遠ざけているのです)
 そうこうしているうちに再びカミュの髪色が赤く変化しはじめ二度目の発情期を迎える……そんな感じの「肉体的にはがっつり激しく交わっているのに心のすれ違っているカミュ氷」が延々と。
 その2
 第三者(まあ御多分に漏れずミロですが)を投入するパターン。
 いるはずの氷河の姿が近頃一向に見えないので様子が変だ、と思って宝瓶宮を訪れたミロは猫化したカミュとベッドに倒れ伏した氷河(あからさまに事後、それも気を失うほど激しかったもよう)を発見する。
 驚いて、立てるか、ぼうや、とミロが抱き起そうとしたらカミュ猫は当然怒る。フシャー!発情期の猫は攻撃的ですから。
 しかし爪攻撃では本家のミロには効かない。
「馬鹿だな、抑圧させすぎて暴走するとは……」
 目を覚ませ、とカミュを我に返らせてカミュの気持ちの代弁者として氷河との間を取り持つのか、あるいは悪ノリして自分も混ざっちゃうのか。(えっ?)
 その3
 カミュに記憶が残っているパターンもこれはこれで萌えます。
 翌朝とても気まずい宝瓶宮。
 獣の本能に支配されたカミュにかなり手荒く扱われてあちこち傷だらけの氷河が、よかった、いつものカミュですね、と健気に笑うものだから、カミュももうこれ以上自分を取り繕う真似はしない。
「…………なお悪い。元に戻ってもまだお前を抱きたいと思うわたしはなんと浅ましいことだろう」
 カミュ、と少し驚いて、やや思案して氷河は答える。
「ならば俺も浅ましいことに変わりありません。あなたに抱かれている間中、俺の心は喜びに満ちていた。あなたが後で苦しむであろうことを知っていたのに、です」
 おお、意外にも珍しく遠回りすることなくストレートに盛り上がるカミュ氷もいいな!
 などなど…………
 普段は超絶高みにいて氷河くんを導く存在であるカミュが、自らの意志に反してどうしようもない事態におかれて苦悩してしまう、カミュ猫設定、よくないですか!?
 氷河にとって手の届かない、遠く尊い存在だったカミュが、肉欲に支配されて翻弄されている姿を見せることで、氷河との距離が縮まり、だんだん対等の恋人同士になってゆけるというか。
 こんな大事件でもなければ、永遠にこの二人は「師弟」という壁を越えられない気がするのですよ。
 カミュは割と早い段階で成長した氷河を対等に見ることができると思う。
 でも、氷河は無理だ。先生は永遠に先生。
 だからこそ、カミュ氷成立のための絶対条件として「先生が人間的な弱さを氷河に見せること」が必要な気がしているんだな。


 ついでにミロを猫化させてみるとどうだろう。
 元々どこか猫っぽい人だけど。
 ミロ猫の発情期はねえ、カミュ先生とは違って手当たり次第なんだな。相手構わずなの。
 カミュ先生に迫り、リアに迫り、カノンに迫り……
 ミロがカミュ先生の腰を抱いて「俺としようか」なんて囁いたのを目の当たりにして、氷河は「あなたって人は!」って怒る。
 カミュが冷たく退けたのをホッとして(「カミュが」ミロ猫の餌食にならなくてすんだことによる安堵なのか、「ミロが」カミュとどうにかなってしまわなかったことによる安堵なのか本人まだこの時点では自覚はない)、お前に振られたからほかをあたろうって宮を出て行くミロ猫についていく。
 ふらふらふらふら、アフロディーテの髪を撫で、リアの耳元で囁き、カノンの首筋に噛み付く(迫られてるのにカノンだけ不遇だな・笑)ミロ猫を追いかけながら、「すみません、この人いま変なんで相手にしたらだめです!」ってひっぺがしてまわる。
 しかし発情猫の交尾にかける情熱は一筋縄じゃいかない。
 しかも相手は黄金聖闘士。
 どっかりとカノンを押し倒してぺろぺろしてるのを引き離すのは並大抵じゃない。カノンは「いいじゃないか、俺は別に構わんぞ」とかやぶさかでもない感じで協力してくれやしないし。
 ようやく天蠍宮にミロを閉じ込めることに成功した頃には氷河はボロボロ。
 ぜえぜえはあはあ息を荒げて、氷河は怒る。
「あなたなんか信用ならないってことがよくわかった!」
 日頃、ほのかに口説かれているような気がしていたけど(どう反応していいかわからずにそれらを無視していたけど)、本能で動いている今のミロの行動を見ている限り、全部勘違いだったのだとわかり、自分の勘違いが恥ずかしくて居たたまれなくて、もう、怒ることしかできない。真に受けて……真に受けて……俺も好きなのかもしれないと思ってしまった自分がバカみたいじゃないか。
 発情しているミロ猫はミロ猫で苛々と気が立っていて、氷河が自分を閉じ込めたことに怒っている。
 そこをどけ、って赤い爪を掲げているのに怯みもせず、氷河は扉を背に立って、いやだ、絶対に外に出すものかってこちらも本気。
「どこに行くつもりなんだ」
「ここではないどこかさ」
「出てどうする気なんだ」
「交尾をするに決まっている。君さえ邪魔しなければ相手ならすぐに見つかる」
「誰でもいいのか」
「誰でも一緒だ」
 誰でも一緒、言葉にされるとやはり胸が痛い。きみだけだ、と囁いたあれは嘘だったのだ。
「誰でもいいなら、お、俺でいいじゃないか。俺がいくらでも相手してやるから行くなよ!」
 それならよそに迷惑をかけないし、と、下手な言い訳をつけたしたそれは、氷河にとってはあらん限りの勇気を振り絞り、羞恥を振り切った、一世一代の告白のつもり。
 そうしたらミロ猫、ちらと氷河を冷たく見て、
「いや、君はだめだ」
 とばっさりと切る。
 氷河は酷く傷つくわけだけど。
 そりゃ、先生もアイオリアもカノンも本当にいい男だから俺が敵わないのは自覚しているけど。獣の生殖本能に流されて誰でもいいとまで言っているのに、なんで俺だとだめなんだ。
 ってそこまで考えて、気づく。
「誰でもいい」っていう、「絶対に受け入れられるであろう保険」がなければ自分の気持ちひとつ、(それもあんな遠回りな言い方でしか)告げられないような臆病者だからこのひとの視界に入れないんだ。
 傷の深さの分だけ自分の愚かさを自覚して鼻の奥が痛くなる。
「…でも行かせないからな」
 ぐっと涙を堪えて、せめてものプライドでそれだけ言うので氷河は精一杯。
 そこをどかねば何をするかわからんぞ、と毛を逆立て、爪を研ぐミロにも、構うものか、と譲らない姿勢を見せはするんだけど、一度「止める権利が自分にはない」と自覚してしまえば力も出ない。
 相手は猫っても黄金、氷河の隙を見逃すはずはない。拳の一撃で退けられ、扉に背を預けて、ずるずると崩れ落ちていく氷河に、ミロの足音が近づいてくる。
 ああ、もう彼が出て行くのを止められない。
 体力的、力の差といった問題じゃない。
 『君じゃない』と拒絶されている、その本気度が知れて、止めようがないことを悟ったのだ。
 扉から背を離し、自由にすればいい、と道を開いた氷河の前で止まった足音。不意に、ふ、と屈みこむ気配。
 頬についた傷をミロにペロリと舐められて、驚いて氷河が顏を跳ね上げると唇を塞がれる。
 なにを、という声ごと飲み込まれて深まる口づけ、そのまま押し倒されて始まる愛撫に、氷河大混乱。
 見上げてみれば、あら、さっきまであった耳&尻尾が消えている。いつものミロです。が、喜ぶ気にはなれません。
「もうあなたのからかいに騙されたりはしない。俺ではだめなのだろう」
「さっきはな」
「さっきも今もあるものか。本能ではあなたは俺など相手にするに足らないと知っているんだ」
 自分で言っておいて傷ついて、ぐ、と滲む涙をこらえます。
 おや、きみらしくない、卑屈なことだ、とミロは笑って、そして低く声を落とす。
「君としたいのは断じて生殖本能のみに支配された味気ない『交尾』などではないからな」
 ニヤ、と「いくらでも相手してくれるって?」と笑うミロに氷河は「な、」と絶句したきり声が出ない。
 後はもちろん、『交尾』じゃないやつ、そりゃあもう氷河くんが翻弄されるような甘くて濃い官能たっぷりの奴を!ふふふ。
 ここまで「人間性残存なしの獣化」バージョンで推してきましたがミロ猫には「なしとみせかけて実は中身はミロのまんま」がいいと主張しておきたい!
 本気で好きになった相手にはミロは真摯&ピュアだといい。獣の本能に支配されている時には氷河だけは抱けないミロとか。誰でも一緒だ、は(君でないならば)が前置きにつくのですね。
 ミロが猫化しているけど人格残ってるなっていうのが感じられたので、ほかの黄金聖闘士は、まーた坊やをからかっているのだな、とノリよくつきあってくれたのです。
 アフロディーテとか「おや、わたしでいいのかい?ふふ、いいとも。さて、どっちがネコ(比喩)になればいいのかな?」なんて言って氷河が慌てるのを楽しんでたの。リアだけはそんな腹芸通じなくて後日「えー、ミロ、先日の申し出だが慎重に検討した結果、俺はやはりお前とはただの同僚でいたいから気持ちには応えられない」などとお断りのお返事が届いてミロ大笑いなんて後日談があったりして。
 でも、これ、ミロ氷二人がちゃんと恋人らしくくっついた後も絶対楽しい!
 発情期をまたまた迎えてしまったミロ猫。意志の力で「猫化中は氷河を抱かない」って決めてるけど、生殖本能って侮れない。
 やっぱりすっごいすっごい苦しいわけ。(苦しむ姿もまたエロスでいいと思う!!!!)
 ここから浮気の危機(笑)分岐ルートでもいいし、氷河がどうにかミロをお慰め(性的に)できるようにあれこれ奔走してもいいし。もうこの設定だけで延々妄想していられる!

 もういい加減長いけど、ここまできたら気になるので一氷ではどうだろう。
 この二人だったら、わたしは断然「二人とも猫化」を推しておきたい。ザク氷でもこれはかわいいけど、ザク氷は猫化という一石を投じなくてもわりと二人とも素直にくっつきそうな気がするので(というか、存在が既に子猫二匹がごろにゃんしているようなものなので)今回は割愛です、すみません。
 普段はもう反発しあってばかり、どこまでいっても相容れない水と油、なのに互いを意識しているのがありありの一氷。
 が。
 互いに猫化してしまう。もちろん発情期。
 発情期、交尾相手求めてさまよう猫二人、もう相手は誰でもいいくらいに性欲MAX。
 折よく出会うも、出会い頭に一輝猫と氷河猫、フシャー!といきなり喧嘩。
 互いに交尾相手を探しているのです、需要と供給はマッチしているように見えるのですが実はそうじゃない。
 そこにあるのは需要と需要、つまり、互いに雄を主張して譲れない。俺にいれさせろ、違う俺だ、と大騒ぎ。
 しかし冒頭にわたしは「一氷」と書きました。
 やはり最終的には一輝猫が上にのっかる。
 くそっ早く終わらせろよ!とシャーシャー文句を垂れながら、しかし意外にも官能を見出してしまう氷河猫。(感じてなるものか、と、気持ちいい、のせめぎあいがいい)
 互いに発情猫どうしなんでなんの障壁もなく一晩30回くらいは熱く燃え上がる。なんたってどっちも驚異の光政遺伝子持っている。
 ………という一夜を過ごした二人が元に戻るとどうなりますか?
 自分の方は記憶がある。あいつの下でにゃあにゃあ(比喩)歓喜の声あげて啼いたのは一生の不覚。しかし、一輝の方に記憶はあるのだろうか、態度はいつもと変わらないように思うが…。覚えていないといいのだが。
 覚えているのは俺だけか?氷河の鉄面皮はいつ見ても何考えているかわからん。人間の時に押し倒したらどんな顔を見せるか。……奴のことだ、殺されかねん、か。
 あいつらまた喧嘩してるの?って星矢ちゃんが首を傾げるくらい不自然にぎくしゃく。
 そのうちまた発情期が近づいてきて…なんとなく、互いの今夜の居場所を確認してしまう二人。『猫化』という言い訳がなければ素直に交わることもできないお年頃なのであった。


 ……えー、というわけで。

 ダラダラと思い付くままに獣化語って、ここまで来たらさすがのわたしも自分の中の萌え傾向の結論出ました。
 わたし、どうやら「獣化そのものより獣→人間に戻った時のあれこれに萌えている」みたいです!わお!それ獣化関係ないじゃん。
自分で書いておきながら「性感帯の耳と尻尾」ぜんぜん生かしきれてないorz
 獣化の最たる萌えを素通りってオイ……だめじゃん。
 これはあれでした、にゃんこ化がいけなかった。
 わんこ化よりにゃんこ化の方が萌えるんですけど、猫って生まれてから数えるほどしか触ったことないので耳や尻尾がどんな動きをするか知らないんですよね。しまった、こういう時のために(?)猫飼っておくんだった……。同人界隈の作家のみなさまが軒並み猫飼っていらっしゃるのってそういうことだったの!?(多分違う)
 にゃんこは触ったことないけど、しかし、わんこ化なら多少生態がわかる!
 あの、長期間留守にしていてただいまーって言ったときの、「ふん、俺を置いて出かけていったくせに今更なんだ。俺はもうお前には二度と媚びやしないぜ」って感じで拗ねて柱の影から出てこないくせに、ふぁっさふぁっさ尻尾が揺れているのがチラッチラ見え隠れしているやつ、あれね!!呼び寄せたら「仕方ねえな」って態度で柱の影から出て来るくせに、尻尾が小刻みに左右に揺れちゃってるあれね!
 悪いことした後で、「それをやったのは俺じゃありませんけど」なんてしらっとした顏しているくせに、耳が既に怒られた後みたいにしょぼんと垂れている、あれね!
 普段は尻尾触ると嫌がるくせに、こっちが凹んでたらそっと近寄ってきて、「おい、俺の尻尾触るの許す」みたいな感じでお尻を向けてくる、あれ!
 本心だだもれの尻尾&耳がわんこ化は最高にかわいいです。
 言葉でツンツンしてるとなおいい。
 ちろんエロスの最中も尻尾の揺れが多弁に「それ好き」と物語る…「あ、い、いやだ」って言いながら尻尾は振っているなんていいじゃない…
 わんこの服従のポーズの腹見せだってエロ三段活用いけるなあ!

 でも、氷河わんこはカミュ先生が帰ってきたら、ツンツンなんてどっかふっとんじゃって嬉ション(…)しそうな勢いで尻尾を千切れんばかりに振って飛びついていきそうだな。デレッデレ。出かける時なんて、「行くんですか…行っちゃうんですか…俺、拗ねちゃいますけどそれでも行っちゃうんですか…」なんて玄関先でうるうる必死に引き止め作戦に出るから。帰ってきてデレデレ氷河わんこを抱き留めて寝室に行ったら、カミュのパジャマがほんのりあったかくて「ああ、一日中ここで座って待ってたのか」ってことが知れてカミュ先生もキュン死にだよ!
 カミュわんこはカミュわんこで、無表情で超絶クールなのに、氷河が近くに来たら、もう、尻尾が残像ですら見えないくらい光速で振られちゃうんだから。超忠犬。氷河は、今日は何時になるかわかりませんからって行って出たのにちゃあんとカミュわんこ、駅で待ってる。「一体いつからここで待って…!?」頼むから家で待っててくださいねって言っても、やっぱり氷河がどんな時間になったって、必ず改札の向こうの柱の影で赤毛の尻尾がのぞいてる。困ったなあって言いながら、でも、幸せで幸せで幸せな帰り道。
 ミロわんこは主従関係が完全逆転ね。氷河の言うことなんて聞きやしない。最初の躾に失敗しちゃったんです。群れ社会に生きてるわんこは集団の中の順位付けにシビア。氷河と俺なら俺が上だなって判定されちゃった。なまじ間違ってないだけに氷河ぐうの音も出ない。
 だけど氷河を振り回してるミロわんこだけど、ご主人様にちょっかい出すようなヤツがいたら眼光鋭く飛びかかっちゃうんだ、きっとね。

 そうだ、ついでにもうひとつ。
 なぜ、攻めの獣化の方が受けの獣化より好きなのかってこと。

 実は媚薬ネタも受けに使用するより、攻めに使用する方が断然好きだったりします。女体化(攻)なんていうわけのわからないもの書いたくらいなので、そこもやはり根底に流れる思考、いや嗜好は同じなのかもしれない。

 潜入捜査官妄想の時に確か書きました。
「男なら 堪えてみせろ 愛ゆえに」

 獣化発情期でも、媚薬でも、女体化でも、ですね、常ならざるシチュエーション、自分の意志が本当に自分の意志と言えるのか、あやふやな状況に陥って抵抗しない、できない状態の受けちゃんを、攻め様がこれ幸いと押し倒すのは……
 そこはやはり据え膳目の前にして(内心は動揺していたとしても)攻め様は涼しい顏していて欲しい!
 武士は食わねど高楊枝、日頃ツンツンしている受けちゃんが、まな板の上の鯉状態だからって、あざまーすwwwごっちゃんでーすwwwはなんか違う!愛がないじゃないですかー!
 うちの大事な貴公子さま相手に攻めようと思うならば、据え膳自主的にお預けするほどおっきな愛がないと駄目ですよ!

 しかーし。媚薬系、発情期系ネタはエロしてなんぼ。(言い切った)

 どうやってこのネタで自分好みのエロに持ち込めるか、多分、受けが駄目なら攻めに使えばいいじゃない…って耳元でアントワネットさまが囁いたんでしょうね。
 普段は愛ゆえに絶対に受けの気持ちを無視してことを進めたりしない攻め様が、常ならざる状況に置かれてしまい、理性の箍が外れてしまう、という。
 うーん、それなら仕方ないじゃない!!!やったよアントワネットさま!ありがとうアントワネットさま!
 いやまあ、それでも、できればそこを何とか肉欲に流されずに理性で堪えて欲しいんだけど(笑)
 我ながら超絶ストイックな攻めが好きすぎてすみません。
 カプによってもここは堪えきれずに一線越えの方が萌えるとか、いやここは耐えきった方が萌える、とかいろいろで、その辺の好みのさじ加減がとっても難しくて、だからまあ、媚薬系の〇〇化ネタでエロエロ展開を目指すなら、桃色十二宮制覇、みたいなはっちゃけた展開でスパーンと逆方向に振り切っちゃうしかないんだろうなー。
 でもなんかこう、ぐわわわ、と悶えるほど、いい男の彼らが読みたいんです!ぶっちゃけエロより乙女展開の方が好きなんです。……ちょっと違うか、えーと、乙女展開の先にあるエロが好きなんです。
 だから、声を大にして言いたい。

 男子たるものストイックでいろ、しかし常に肉食系であれ!

 ……矛盾?
 いやいや、黄金聖闘士くらいになれば小さな矛盾など凌駕できるはずだ。聖闘士がんばれ。
 以上、獣化語りでありました。

(fin)
(2015.9.13~10.15UP)