最終話(とおまけ)、ようやくたどり着くことができました。
長かった、長かったよー。
あ、以下、内容完全ネタバレのあとがきというか語りになりますので、良ければ、本編後に読んでくださるとうれしいです。(いつものことですが、氷河受以外のカプ要素、気軽に混じってますのでご注意です。具体的にはカノミロっぽいものとかカノザクとかそういうのです。)
本編と同じくらい長いです。元作品の内容もネタバレしています。
腐妄想も混じっていますので大丈夫な方だけどうぞ。
一話目のアップは2015年7月4日でした。あ、そうね、そうだったね、夏だからなんか海の話が書きたいなーって思って、それで「海の話(仮)」として気軽に始めたのでした。
中断した期間があった上で、最後までたどり着けたことにとりあえず感無量です。
遅筆で申し訳ない。
「海の話(仮)」はさすがに適当すぎたなと思い、サイトお引越しにあたって「Navy Story」に改題したわけですが。
それはそれで、お前、まんますぎるだろう、海の話の方がまだよくないか!?という。
あいかわらずセンスないのです。
タイトルでうっかり察してしまった方はすみませんということで。
せっかく素敵な元作品があったにも関わらず、様々なところで萌えに昇華しそこなって、ああもう力不足の一言につきます。
最後まで、時代はいつで、場所はどこなのか、設定詰めないままだったので、中世ヨーロッパ風と思って読んでいると、再々、んんん?と違和感覚える描写多々と思われます。
一次小説ではなく、キャラがいちゃいちゃするのを楽しみたいだけの二次小説ですので、ガバガバ設定はご容赦ください。
元作品から大きく変えざるを得なかったのが「母の仇」設定で。
氷河が女の子なら必要のなかった設定ですが、男同士でいきたかったので、復讐に燃える氷河ってありなのかなって迷いながらも付与しました。
が、やっぱり難しくて。
ミロの正体を早々にバラすのは興ざめだし、かといって最後までわからないままにすると、氷河がどうして母を殺した男なんかに惹かれるのか説得力がなくなるし。
どこまでチラチラさせていいのかわからなくて、バランスがとても難しかったです。
途中でミロの正体を察した方は、きっとニヤッとしてくださったことでしょう。
お前、また潜入物かよ!と笑
潜入捜査官妄想がミロ視点の潜入だとしたら、海賊は氷河視点の潜入です。
好きなんです。好きなんですー!何回でも書きます!
というか、わたし、いつどこで潜入捜査官もの好きになったんだろうなーとつらつら考えていたんですけど、間違いなくドはまりしたのはトニーレオンのあの3部作で、そこから潜入物の小説などなど好んで読むようになったんですけど、覚えている限り最初に触れた潜入(?)ちっくな話って、キャプテンレッドだったかもしれないなーと思って。
覚えてないだけでほかにもあったかもしれませんが、少なくとも、今もまだ手放してないほどのお気に入りはこれが最初だと思います。
(元作品、本当にぜひにぜひに読んでください!短編でぎゅっと萌え濃縮、ライトでコミカルなタッチですがきゅんとしますので!)
「I love you」「I know」のやり取りはあまりにも有名なレイア→ハンソロですが、それに対してのアンサーは、ハンソロ→レイアの「I love you」「I know」なわけでして。そこは必ずワンセットなの。SWファンの方は、氷河→ミロの「I love you」「I know」が出た時点で、キター!と思ってくれたと信じてる!
元作品でもこのセリフはまんまあって、ああ、これは、SWを知っている方が描いているな、というのがすごくわかって、わたしはとても好きなシーンです。
今後も気が済むまで(済むのか?)何回でも書きますので、「I love you」「I know」が来たら、キター!と思っていただければ笑
最終話の、ミロが、自分の名を名乗るくだり、元作品は、ながーい本名を名乗ったことで、それで、由緒正しきおうちのお貴族様だとわかるシーンなんですね。
が、そこはどうしてもわたしがミロに原作にはない名をつけたくなかった。
すっごい書いて消してを繰り返して悩みましたが、どんな名をつけてもしっくりこなかったので全却下です。氷河の名字に「城戸」とつけるのとはわけが違いますもんね。
大丈夫な方は、お気に入りの名字など適宜足して読んでいただければと思います。
で、いっちばん難しかったの、多分、カノザクです。
ミロ氷の方はあんまり関係性に迷いがないんだけど、カノザクは初めて書くカプなので、自分的にひとつひとつ、アリかナシか検証する時間が長かったような気がします。
元々、そんなにカノザクというカプを読み込んでおらず、好きな作家さんの作品が流れてきたら読む、という感じで、自分の中のカノザクが固まっていなかったというのもあって。二人称すら途中で変えましたからね??
でも、海底ではきっとカノンとアイザック、なんかいろいろあったんだろうな、とは思うんですよね。今回は原作踏襲のカノザクではないわけですが、二人を考えるときに海底で何があったかは避けては通れないところで、文字にしない部分で、なんかいろいろ考えることが多すぎてすごく時間がかかった感じです。
パロなので最初に配役を決めた時点で、元作品の流れでは、ミロ氷とカノザクはくっつくことが決まっていました。
が、正直、一応、腐女子界隈のマナーとして成立しそうなカプの注意書きはしたものの、カノザクは成立しないかもしれないな、成立しなかったらしなかった時で別に構わない、自分のキャラ感曲げてまでくっつけなくてもいいか、とは思っていました。
結果、こんな感じになりました。
ど、どうだろ。
甘い言葉を囁き合うような関係になるわけではないけど、でも、なんか、互いの存在があることでいい方向に変われるようなそういう関係がいいかなーなんて。
原作では共犯関係な二人ですが、もしも、もしも、「復活後」があったとしたら、罪を共有しているがゆえに、なんとなく腐れ縁、甘くはないけど離れられない、でも、決して堕落する方向に作用しない、ちょっとピリッとした関係だといいかな、と思うのです。
えーと、どこかで書きましたっけ。年齢の話。
このお話、はっきり書いてはないですが(書いてましたっけ?)、原作軸より2~3年、プラスして書いているつもりだったんです。今更だけど。(どっかで矛盾した表記あったら見逃してください笑 自分で最初の方の設定覚えてなくて)
つまり、氷河は16歳~17歳、ミロ、カミュは22~23歳、カノンは30~31歳笑
ミロ氷は成立しやすかったけど、カノザク、主にはカノンの方が、絆されたからっていって簡単にはほいほい応えてやるわけにはいかない理由、ここにあるわけで。
このお話のカノン、アイザックのことは本当に眼中になかったと思うんですよね。
アイザックもカノンのことは胡散臭いヤツと警戒していて。
カノンはこれ、ミロのこと好きなんじゃね??アイザックが氷河以外に向くことはないんじゃね??みたいな。
だから、こっちのカプはそのまま殺伐と終わらせるかなーって思ってたのに、様子が変わってきたの、海に落ちたあたりからです。
海に落ちたあたり、というか、カノンのボロがいろいろ出始めたあたりから。
しまった、アイザック、こういう、ちょっとしたダメ男に弱い……
氷河がもうそういう典型じゃないですか。
あんなに完ぺきなカミュ先生がそばにいて、氷河の方にいっちゃうあたり、アイザック、誰かの役に立ちたい、頼られたい、属性の子だと思うんですよね。
で、そういう人って、えてしてものすごく他人の心の機微に聡い。困ってる子をかぎわけるセンサーがすごい高感度なの。
当初、氷河に向けて働いてたセンサーなんだけど、氷河と離れてセンサー無駄に持て余してたら……ハイ、高感度センサー拾っちゃった、でっかくてかなり困ったわんこを。
氷河よりよっぽど困った奴だぞ、そいつ。手に負えないぞ、アイザックお前それでいいのか???
なんとなく、脳内でわたしも止めたりして。
カノンの方は、アイザックはもう全然アウトオブ眼中なわけですから。
完全に油断してて、ぽろぽろ自分を取り繕い損ねちゃってる。(←そういうとこだぞ、お前……)
まさかこの世に、ダメ人間に魅力を感じてしまうやつがいるなどとは思ってないから気軽にダメっぷりを晒して、無意識フェロモンで誘引しまくり。
気がついたらものすごいピュアな感じで真っ直ぐにぶつかってこられて、ウッと全力で青ざめる。
こいつのこれは捨て犬拾った感覚のようなものだ、と理解していて(さすが年の功よくわかっている)、ただ、理解してはいるけど、思いのほかカノン、それが心地よかった。
ミロとか氷河は、もう曇りなき正義!!って感じなわけです。
そこに憧れると同時に、自分がそうではないことを自覚しているから、カノンは一線を引いている感はある。
でも、アイザックは正義の側でありながら、どことなく、ミロや氷河とは違うものがあることをカノンはなんとなく察している。
出会ったのがまず、アイザックが物に八つ当たりして、ぐるぐる黒い感情と戦っていた、ちょうどその瞬間だったわけですしね。似ているってほどではないけど、ほんのり、同じものを感じてしまう、みたいなそういう感じのカノン→アイザックです。
これ、カノザク、いつ、どうやって一線越えるんだろーなー
越えてからが本番だろーなーーー
カノン、のらりくらりかわして、なかなか手は出さない気がします。
で、そこまで逃げておきながら、多分、越えるときは「ついうっかり」で越えてしまうんだ。そんなつもりではなかったのに、しまった、というような。
でもね、越える越えないはカノザクにおいてはそれほど重要じゃない。
一線越えておきながら、アイザックがクールに放つ、
「え?だってあんたの好きなのはミロだろ?」
という一言からがドラマの始まりでしょー。
これはいい加減な扱いはできないな、と思っていたからなかなか手を出さない、わりかし真摯な対応していたのによ?一線越えてしまった後になってよ?今までずーっとそう思っていて今もそう思ってます、だけどそれで構わないから抱かれました、みたいな顔でさらりと言われたら、多分、泣かれるよりこれはカノン、ダメージデカい。
別にあんたの一番になりたいとか思ってないから気にすることはない、と淡々とシャツの袖へ腕を通すアイザックに、カノンは、彼のためによかれと思って少し距離を置いていた結果、盛大に誤解させてしまっていたことを知る。
「誤解だ。俺はミロを抱きたいなどと思ったことがない。あいつは……」
さあ、困った。
ミロは自分にとってどういう存在なのか、説明するのは難しい。
どうでもいいわけではなく、唯一無二の特別な存在であることは確かだ。
「ミロは何と言うか……俺には神だ」
「………神」
アイザック、もうドン引き。
好きなんだろうなとは思ってたけど、そこまでかよ。って。
違う、要は、この上なく尊敬していて感謝もしていて、頭は一生上がらないし、信頼もしているし奴のピンチには何を置いてもかけつけるし、できれば奴の剣で死にたいとは思っているが、と、言えば言うほどカノンどつぼ。
「は!何をそんなに焦っているか知らないがもういいよ。…………ま、性欲解消くらいはつきあってやるよ、神を抱くわけにはいかないしな」
クールに去られて、カノンこれもうどうしていいかわからない。
その上、クールに受け流したくせに、アイザック、その夜はカノンのとこに戻らない。氷河のとこに行くわけです。(ムウが用意してくれた部屋は二人とも早々に使わなくなっちゃう設定です笑)
結果的になんか追い出されてしまったミロが(自分の船長室なのに)、腹抱えて笑いながら、お前何言ったんだって、総舵輪握ってるカノンのとこに来る。
「………お前を神だと言ったら引かれた」
「………………それは俺も引く」
「失敗した、ということはわかっている」
だが、どう言えばよいのかがわからん、お前が特別なのは確かだが、大切にしたいかと言われたら違うとも思う、と、困った様子のカノンがミロには不思議で。
初めて会ったときは、どぎつい険を纏わせているくせに感情を外にあらわさぬ整った顔を信用ならぬ、と思ったものだが、知らぬうちにずいぶんと人間らしくなった。
愛おしい、という感情を知って戸惑っているのだな、多分、初めて。
「どう言えばわからぬなら、わかってもらうまで行動で示すしかない。そういうものだろう、人間同士の繋がりなど。早道なんかどこにもない。言葉一つで信頼が勝ち取れるならお前は今ここにはいない」
「………そう、だな。さすがだな、お前は。神の言葉は重みが違う」
「だから引くからな!?それ!?」
冗談だったのか(本気ならやばい)、カノンの肩がふるふると揺れている。
「今から迎えに行ってもいいか」
「俺はいいが、もう二人とも眠っていると思うぞ。氷河が久しぶりの水入らずを喜んで夜更かしをしていなければ、だが」
「それでもいい」
一刻も早く顔が見たいのか、と知れてミロは笑う。
本当に変わった。
変えてくれる存在ができて、よかった、と思う。きっと自分では、あんなふうに甘く頬を緩ませてやることはできなかった。
カノンがそっと船長室の扉を開くと、案の定、二人は一つのベッドで抱き合って眠っている。
両腕を互いの身体に回して、足は絡めて、アイザックの唇は氷河の額に触れて。
いやいやいやいや、兄弟でも普通そこまでは。
俺もおかしいが、お前も絶対におかしい。こっちが何も言わぬからと言って逸脱しすぎじゃないのか、それは。
二人を起こさぬように、そっとアイザックの身体を氷河から引きはがしてカノンは抱き上げる。
ん、と寝ぼけた声を出したのは氷河の方だ。
「……カノン……?」
しー、と仕草で示してカノンは、「悪いが俺のだ。一晩たりと貸してやれぬ心の狭い男で悪いな」と言う。
氷河は目を瞬かせて、なんだ、と笑う。
「だったらよかった。アイザックと同じ気持ちなんだな」
「……そう思うか」
「あなたの話ばっかりだったよ、ずっと」
「……そう、か」
暗闇で幸い。そうでなければだらしなく緩んだ面を氷河に晒すところだった。
邪魔をしたな、と言って船長室を後にするカノン。
(もちろんこれ、アイザックは狸寝入りです。赤くなった頬を見られずに安堵していたのはアイザックも同じ。)
カノンが出ていくのと入れ替わりにミロが戻ってきて、氷河はちょっと拗ねる。
「カノンに取られた……」
「君も少しは乳離れせんとな」
「し、失礼だな!そういうのじゃないから!」
「ほう。情事の最中に俺に向かって『せんせぇ』などと甘えて縋りついたのはどこのどいつだ」
「なっ、そ、そんな言い方してないから!!あれは、いつも呼んでたから、癖でうっかり、」
「いつもベッドで呼んでいたとは、とてもではないが聞き捨てならんな」
「違うから!!あなたが俺を前後不覚にするから、自分が今どこにいるのか、わからなくなったんだろ!!」
「だからその前後不覚になったときに咄嗟に呼ぶ名が俺じゃないのが気に入らん、と言っている」
お仕置きだな、と耳を甘く食まれて、ぞく、と氷河の背が疼く。
「お仕置きならもう受けただろ……」
いやだ、もう無理だ、と泣いて懇願しても離してもらえず、足腰立たなくされたのはつい先日のことだ。
「あれは先生を呼んだ罰。今日のはベッドに別の男を引きずり込んだ罰だ」
男って、アイザックだけど!?引きずり込んでもないしな!?と抗議すれば、「関係ない。誰にも触れさせるな」と、こちらも少々大人げなく心の狭いセリフをミロも吐くのでした。
翌日からも、だからって急にカノザクが甘々いちゃいちゃな関係になったりはしないのだけど、ただな??二人っきりになったときだけアイザックにちょっと甘えるカノン、てのがいる、かもしれない。逆じゃなくて。
大型わんこが顔だけクールなのに、尻尾が揺れる、そういう感じのわかりにくい甘え方ね。重い、重いと文句を言うアイザックの腹を枕にぼーっとしてるカノンとか。
変わらず、カノンの特別はミロで、アイザックの特別は氷河だったりするわけだけど、さらに言えば、この後もカノンはちょいちょい失言してそのたびにアイザックは絶対零度で、へー、あっそ、って冷たい視線を投げつけるわけだけど。
でも、特別な存在、一人だけじゃなくてもいいじゃない。どっちがどう大事かって選ぶことができなくても、さ。
お互いが特別な存在を抱えたまま、なんとなく離れられないでいるうちに、いつかかけがえのない存在になっているカノザク、あると思います!
ちなみに、氷河は氷河で、ミロがカノンを特別な相棒みたく扱っているのは妬けて仕方ないわけで。
ミロはアイザックには多分妬かないな。だけど、カミュ先生には妬いちゃうと思う。
(ベッドの上で間違えて「先生」って呼んだことだし笑)
氷河がグラード領に里帰りとかすると絶対ひと悶着ありそうで。
半年とか1年とかたって、みんなで寄ると、カミュ先生が出迎えるわけです。
久しぶりに会うカミュに、せんせい!って飛びついていくのなら、まだ、子どもか君は、みたいに笑いにできたのに、氷河はただただぽーっと上気して、真っ赤になってもじもじしちゃう。
家庭教師としてじゃなくて、領主(?)として会うのは初めてなわけで、だから、先生のいつもと違う表情にドキドキしてしまうっていうだけなんだけど。
氷河の方はただそれだけだけど、ただ、カミュ先生は違ってて、めちゃめちゃミロを煽るとみたね。
昔話に花を咲かせながら「そう言えばあの時の傷はまだ確か残っていたな」なーんてさらりと氷河の際どいところの肌に触れるわけですよ。氷河は全然嫌がらないし、なんならシャツもめくって腹でも見せそうな勢い。(実際見せたらそこには所有の鬱血痕があるわけだけど。)
ミロは面白くはない。あからさまな嫉妬は見せないけど、カミュの牽制するみたいな視線に火花散らしちゃうくらいには、ね。
それで、夜、ミロは通された客用のお部屋で、当然氷河も一緒に寝ると思っていたのに、氷河は狼狽えたみたいな顔をして抵抗する。
「いや……おかしいだろ。俺は自分の部屋で寝るよ、先生、まだ全部残しておいてくれてるし」
なんて。
普通なら、そうか、と引き下がるミロだけど、おかしい、とは何だ、と思わず腕を掴んで引き止めてしまう。
「ここにはカミュがいるからか」
氷河、みるみる真っ赤になって、認めたも同然。
「師に、俺との関係を知られたくないのだな」
「そ、んなの、当然だろ」
「……『当然』か。ならばますます行かせるわけにはいかないな」
「勝手に決めないでくれ。俺はあなたの所有物じゃない」
そんな感じで押し問答しているところにカミュ先生ご登場。
「どうかしたのか」
廊下で燭台持って立ってるカミュ先生に氷河ハッとして、思わずミロの胸を突き飛ばすように押してしまう。
「夜はまだ冷える。氷河、早く自分の部屋へ」
そう促すカミュ先生に、はい、と従ったものの気になって、廊下の端で振り向けば、ミロの姿はもうない。
ミロ、わかってくれたよな??
だって、ミロと寝たら、そういうことになるに決まってる。さすがにここでは気恥ずかしい。
(誰だって、実家ではやりにくいでしょ!?笑 例え襖の向こうに両親が、って環境じゃなくてもさ。同じ城の中に育て親がいる状態で、さすがにちょっと、ねえ)
明日、ちゃんと説明しなきゃな、なんて、ちょっと心配になって、もんもんとして起きたら翌日。
ミロが冷たい。
冷たいというか、よそよそしい?他人行儀?
ミロ、馬に乗らないか?競争しよう、と誘ってみても、俺はいい、せっかくだからカミュと行くといい、などとにっこり笑われて。
うろうろと纏わりついてみても、ちょっと親しい他人、程度に愛想はしてくれるけど、でも、それだけ。
3日くらい続いたところで氷河ギブアップ。
深夜、ミロの客間の窓がトントンと叩かれて、開いてみれば氷河が飛び込んでくる。
「……部屋を間違えたようだな」
意地悪なこと言うなよ、と氷河はミロを見上げて、でも、すぐに、ごめん、俺が悪かった、と俯く。
「別に怒ってはいないさ。嫌がる君の気持ちもわからんでもない。……だが、俺の方がな。君の意向に沿おうにも触れない自信もない。勘違いさせたなら悪かった」
そんな顔をするな、と親指の腹で頬を撫でられて、あー、かなわないな、俺はこのひとがすきだな、と改めて認識して、氷河はぎゅっとミロの胸に抱きつく。
顎をくいと持ち上げられて、ちゅ、と軽いキスで宥められて、さあ、明日は出航の日だ、最後の晩くらい懐かしい自分の部屋を楽しんでおけ、と肩を押される。
でも、氷河は、ふるふると首を振って、ミロから離れない。
「……違う、ミロ、俺が、……俺が、がまんできなくて、それで、」
真っ赤になって誘われては、健康な青年には堪ったものではないわけで。
氷河の身体を抱き上げてベッドへと横たえ、「声を堪えられるか?」って問えば、一度頷いたものの、またすぐに赤くなって、氷河は、無理と思う、と首を振る。
「でも、あなたが塞いでいてくれたら」
多分、大丈夫だと思うから、なんて薄赤い唇を開かれて、どこで覚えたそんな強請り方、とやっぱり妬気に駆られたミロはその夜……
で。
声が響いて関係性が師に知れる、という事態は回避したわけだけど。
出航の日だっていうのに氷河は起きてこられないわけですよ、もちろん。
しれーっと自分だけ準備整えて階下に降りたミロのところに、見送りに出てきたカミュが、「氷河がいないな」と気づく。
「寝坊だろ」と薄く笑っているミロにカミュは眉間の皺を深めて「出発の日とわかっていて寝坊するような子ではないが……」と、氷河の部屋に様子を見に行かせようとする。
そこへ慌てて洋服ひっかけました、みたいな風情の氷河が真っ赤になって駆け下りてきて、「お、起こしてくれたっていいだろ!!あなたのせいなんだから!」とミロに抗議。
「………………なぜ、ミロに起こしてもらう必要が?」
地の底から這うような声で振り向けば、
「カ、カミュ先生、そこにいらしたのですか……」
氷河真っ青。
これでは自分から一緒に寝ましたって白状してしまったようなもの。
ミロは大笑い。
絶対、絶対、あなた、本当は怒ってただろ!?大人げないからな、そういうの!!
青筋立ててつめたーーーい瞳で静かな怒りをため込んでいるカミュに怯えながら、氷河は声に出さずにミロに抗議するのでした。
えーと、まだまだ無限に妄想続けられますがキリがないので一旦このへんで区切りますか。
とにかく、この関係がめっちゃ好きなんですよおおお!
一応腐女子界隈のルールに従って成立するカプは限定しましたけど、どことどこがくっついてもおかしくない4人あるいは5人、みたいなの大好きです。
最終的にはそれで乱交になるのが理想です笑
元作品のパロはここで一旦終了となりますが、いつか、この設定でまた別エピソード書きたいなーという野望はあります。
次はもう少しライトにコメディタッチで気軽に4P入れたいです!笑
あ、そだそだ。
雑記でミロの攻めフェ…、わたし恥ずかしくて書けないかもーなどとカマトトぶったことをぶっこいておりましたが、チャレンジしたところ全然いけたのでここにご報告します。
ただ、書き慣れなくて、これで正解だったのかはわからない。コレジャナイ感あるが、じゃあどうならいいんだ、という正解がまだ見つけられておりません。研究を深めて、そのうちまたリベンジしたいものです。
近頃、喘ぎにハートマークが飛びまくってるような、どエロい特殊プレイものばっかり読んでたせいか、自分が書くものが全然普通でしょぼぼん。そのへんも含めて研鑽に努めたい。
ここまで雑記も含めて、長い長いお話におつきあいくださった皆様、どうもありがとうございました。
そして、妄想が妄想だけにご本人様にお伝えするわけにはいきませんが、潜入萌えの種をまいてくださった元作品の作者様、勝手にお借りして申し訳ありません、そして、大好きな萌えを育ててくださって心から感謝します。
リアル事情により、しばらく長編は難しいかと思いますが、オメガバ雑記のような、ライトな妄想吐きだしは時々続けていきたいなーと思っていますので、気が向いた暁にはみなさまお付き合いよろしくお願いします。ではまた!